名古屋広告業協会会員によるリレーエッセイです。
2017年7月24日公開
第33回「心地よい風に吹かれて、来し方行く末を思う」
仕事柄に性分が手伝って、なかなか休日が取れない。そんな私が珍しく、時折吹く風を感じながら、我が家でボーッと座り込んでいます。そう、このリレーエッセイを書くためです。
これまで書かれたエッセイをあらためて読み返し、私も趣味のことを書こうと思い立ちはしたものの、はて、そういえば趣味というものが全くないことに気づきました。
ゴルフはビジネスゴルフ専門、読書もビジネス書を読むのがやっと。若かりし頃にはハンググライダーや少林寺拳法をやっていましたが、危険だからと会社からNGを頂戴し、断念。
どちらもそこそこ気にいっていたので、続けていたら書けたのに…。と何十年を経て後悔しています。
そこで、無趣味の朴念仁は、家族のことを書くことにした。
とはいえ、子供たち3人はすでに独立、我が家は原則、私と妻の2人、プラス臨時で里帰り中の娘しかいない。 いまさら子育てのエピソードも思い出せないと悩んでいたら、腕の辺りにフワッとした感触が!ああそうだ、このコたちが居た。紹介しよう。
長男ルイ♂3年4か月、次男ロコ♂2年2か月、孫?ココ♂9か月(娘が飼っていて一緒に里帰り中)。
ロシアンブルーが1匹に、スコティッシュフォ―ルドが2匹である。
よく、猫派、犬派という大雑把な分け方をするが、私は間違いなく猫派だ。
という話を知人に言ったら、非常に驚かれた。「ペット飼ってるの!しかも猫!ナベさんは絶対犬派だと思ってた」。
どんな人物像を描いていたのやら。
長男のルイ
次男のロコ
孫?のココ
さて、本題に戻すと3匹は面白いほど性格が違う。寝る場所も違う。食事作法も違う。正直仲もさほどよいとは言いかねる。だが、共通点はある。それは、天上天下唯我独尊、自分の好きなことしかしないところだ。甘えたいときに寄ってきて、スーといなくなる。つくづく猫は孤独と自由を愛する生きものだと思う。
猫というものは人に飼われたりしない。気にいった相手を自分で選んで一緒に暮らしているといった趣きである。私は、そういった猫の距離感に魅かれる。ありのままでいられる猫に憧れてやまない。
ところで、アニマルセラピーをご存知だろうか?アニマルセラピーは、動物と触れ合ってストレスを軽減させ、自信や意欲を持つことで、精神や身体の不調を回復させることができるという考え。私も調子が悪いとき、猫と触れ合ったことで少し元気が出た、という経験がある。猫による癒し効果は、猫を撫でるだけで得られるという。猫を撫でることで「幸せホルモン」と呼ばれるオキトシンが分泌され、幸福感を感じ、ストレスに耐性を持つことができ、不安やイライラを中和させる効果があるらしい。
一方で、動物に触れた人間のオキトシンの量が多くなるように、触れられた動物達の体内でもオキトシンの量が多くなることが証明されており、人は猫と癒しあえる関係なのだ。
誰かのぬくもりを感じているとき、人は自分を確かめているのかもしれない。我が家のやんちゃ息子たちの毛並みのぬくもりは、極上の魔法。
ぬくもりの魔法は人にも猫にも効くのに、猫は孤独が好きな生き物だなんて、誰が言ったのだろうか。彼らはとても寂しがりやで、あたたかい場所が大好きだ。人も同じ、私も同じ。大切な家族として、末永く一緒に居てほしいと切に望む。
とんだ猫バカぶりを披露したところで、筆を置く。
弊社の前筆者に続き、猫話で終わってしまいましたが、くれぐれも弊社の伝統ではないことを付け加えておきます。