リレーエッセイ

名古屋広告業協会会員によるリレーエッセイです。

2018年5月18日公開
第40回「スポーツバイクとの出会い」

昭和63年に名古屋鉄道に入社して以来、鉄道事業、ホテル、航空業、博物館、水族館、福利厚生事業と名鉄グループで27年間仕事を続けてきましたが、50歳を過ぎた3年前にまさかの広告会社への異動内示を受け、現在に至っております。 日々悪戦苦闘の毎日ですが、広告の仕事は奥深く、周りの方に助けられながら今日までやってこられています。

広告の話は全くできませんので、今回は趣味の話をさせていただきます。
私が今から10年前に「野外民族博物館リトルワールド」という施設で勤務していた頃、2ヵ月に1回、開館前の早朝にある団体の自転車競技が行われていました。
メタボという言葉が流行語になった丁度その頃、自分自身も初めてのメタボ検診で該当者になってしまいました。何とかせねばと思い、自転車で痩せれば趣味も兼ねて一石二鳥と思ったのがロードバイクに乗るきっかけでした。
ロードバイクを購入したのはその3年後でしたが、家内からは、「どうせ三日坊主で飾り物になるだけでしょ」と一蹴されましたが、今日の今まで同じロードバイクで7年間乗り続けています。
メタボの解消はどうなったかというと、烙印を押されて直ぐに食事制限ととにかく毎日歩くことを続けた結果、半年で10Kg減量することに成功しました。やれば出来るんですね。

ロードバイクを乗るにあたり、最初の壁はそのものの購入金額ですが、購入してしまえば、ウェアや小物等、若干の費用は掛かりますが、走る際には殆ど費用が掛かりません。
きっかけはメタボ解消、運動不足解消ではありましたが、走り始めて間もない頃、浜名湖1周を走破しましたが走っている最中の爽快感と走り終わった後の達成感は格別でした。
自転車の良いところは1人でも楽しめることで、寂しい気はしますが、時間を気にせず、誰に気を遣うことなく、疲れたら休めば良いし、好きな場所に自分のペースで行けること、走る度に気持ち良く、知らない場所を新たに発見できたりと想像していた以上に楽しんでいます。

現在国内の自転車保有台数は7,200万台とも言われ、毎年増加しているそうですが、その中でもロードバイクを始めとするスポーツバイクの増加率は10年前に比べ、2~3倍に増加しているとのことです。
「サイクルツーリズム」という言葉にもあるように日本各地でサイクリングを通して観光振興、地域活性化を目指す自治体も増加しており、私も何時かは走りたいと思い続けているサイクリストの聖地「全長70kmのしまなみ海道」、全長200kmもある琵琶湖1周の「びわいち」、霞ヶ浦1周180kmの「つくば霞ヶ浦りんりんロード」等魅力的なツーリングできる場所が増えています。まだ行ったことはありませんが、今年の3月にはこのりんりんロードの拠点となる土浦駅の駅ビルに国内最大級の体験型サイクルリゾートなるものがオープンしました。この施設はシャワーやコインロッカー、レンタサイクル、サイクルショップ、サイクルカフェなどサイクリングを楽しむためのベースキャンプとなっており、駅ビルがサイクリストの出発点になるなんて想像もしていませんでした。こんな施設がこの近辺にも登場することを願っています。

現在、国内の一般道路の総延長距離が127万㎞に対して、自転車通行区間はわずか1,700㎞となっており、今後の自転車専用道路の整備に期待するところではありますが、昨年5月に「自転車活用推進法」が施行され、自転車専用道路の整備やシェアサイクル施設の整備、公共交通機関との連携等、自転車を活用した地域の振興、サイクルツーリズムの取り組みが進んでいくことを期待しています。

自動車同様、自転車の電動化も一般的になりつつあるところで、スポーツサイクルにも電動化が本格化しているとのことですが、体力が続く限り自分の力でこれからもペダルを漕ぎ続けていきたいと思っています。
スポーツバイクと言えども車と同じで普通の道を走っている訳ですから、車や他の自転車、人、障害物と接触する可能性はありますし、今まで幸にして事故はありませんが、これからも安全、安心運転でサイクリングと楽しんでいきます。

【著者紹介】

広報委員会
株式会社 電通名鉄コミュニケーションズ
取締役専務執行役員

土屋 政文(つちや まさふみ)