リレーエッセイ

名古屋広告業協会会員によるリレーエッセイです。

2019年11月18日公開
第48回「ゴルフ侍」

2016年に博報堂初となるゴルフ部を創立しました。
120年以上となる永い博報堂史において、ゴルフ部が存在していなかったこととなります。
何故でしょうか?ゴルファーはおじさんが大好きで、声の大きい人ばかり。 上手な人は立場上偉い人も多く、面倒な人ばかり。 そんな人達を部活動で束ねることは、火の中に飛び込むような愚かな行為なのか?
そんなことを考えながら、やはりゴルフ部を作りたくて歴史の1ページを開きました。
ゴルフ部創設の最大の理由、それは日経カップ(企業対抗ゴルフ選手権)に出場すること、そして将来的には決勝大会に進むこと。 ここにロマンを感じ、創設した次第です。 副次的には、会社内で広くタテヨコナナメでネットワークができることも大いなる魅力ですし、ゴルフを習得したい人や興味のある人に、広くその機会を設けることにも意義を感じています。

小学1年生から大学までサッカー一筋でした。お陰をもちまして充実した楽しいスポーツ人生を歩んできました。 転勤族だった私は、キャプテン翼になぞらえ「岬くん」に自分を重ね合わせながら、サッカーさえすれば皆とフレンドになれたように思います。 (たまに「日向小次郎」だと言われた事も)
実はサッカーを初めて教わったのは、この名古屋の地でした。 クラブチームである愛知FCの前身のチームで始め、それから18年ほど転々と土地を変え、サッカー付けの毎日を過ごしてきた訳です。


ロゴは社内でデザインしたエンブレム


ゴルフ部メンバー親睦ドリンク(最前中央が筆者)

博報堂に就職し、サッカーから距離を置いたとき、ネクストはゴルフだな、と何とはなく考えていました。
親愛なる父からは学生時代にいくつかの“教え”を授かりました。その中の一つを紹介させて頂きます。
『ゴルフは社会人たる者の嗜み(たしなみ)である。一方、麻雀は亡国の遊び?である』
雀荘に入り浸りになり、学生の本分を忘れる姿が想像できた故の“教え(後段)”だったと後になって気付きました。 父(実は麻雀好きである)は自らの“教え”をすっかり忘れ、お前は麻雀できないのか?と、これまで何度となく聞かれた次第です。(笑)
結果的には、父の“教え”を忠実に守り、ゴルフ〇、麻雀×のライフスタイルが確立していきました。


日経カップの舞台となる筑波カントリークラブ

チーム競技のサッカーから個人競技のゴルフに変えたこともあり、新たなる魅力にすぐに嵌まりました。
ゴルフを人生に例える方々がいらっしゃいますが、(何であれ)本気でスポーツをやれば、人生の教訓となる側面が多いことは間違いないですね。 さて、それぞれのスポーツから私は何を学んだのでしょうか?
サッカーからは“ずる賢さ”を、ゴルフからは“にぎり”の大切さを学びました。
若輩者が教訓めいたことを真面目に語ると嫌われるので、この程度の学びご披露に留めておきます。

さて、このあたりでゴルフ部設立した後のお話を。
高校卒業が見えてきた一人娘のいる家庭もおおよそ落ち着き(現在大学生)、仕事においてもワークタイムバランスを自分なりに調整できる年齢になり、念願のゴルフ部も立ちあげこともあり、よーし!いよいよゴルフライフ第2幕だ!と千葉県に新たなゴルフ会員権も購入しました。 今後引退までの10年ほどゴルフ中心の豊かな人生設計が見えた気がしました。その矢先で名古屋転勤せよ!と2019年4月の異動辞令です。
就職してからというもの東京勤務であったためか、このタイミングで自分が転勤になるとは夢にも思わず!! 一瞬の失望を味わいました。とはいえサラリーマンやむなしです。せっかくの転勤ならば、楽しくないと人生ではない。名古屋はサッカーを始めた思い出深い場所。 単身赴任の新生活を心機一転はじめました。赴任してから半年の感想は・・・・、(仕事は敢えて横に置き)この名古屋はゴルフ天国なのですね! ゴルフ場は近い、とにかく帰路の渋滞を気にしなくて良い、安い、そして、ゴルフ愛好家も多い。
第2のゴルフライフは名古屋で充分に全うできるということ、晴れて体感するに至りました。
尚、ゴルフ部の部長職も多くの人の助けを借りながら続けさせて貰い、日経カップの社内選考も兼ねて年6回ほどのラウンドを行っています。


博報堂トロフィーには歴代優勝者名が刻印されていく


中部支社元営業部長が前回社内ラウンド優勝!

昨今のゴルフ界は、渋野日向子プロの全英女子オープン優勝で女子人気は更に加熱し、黄金、プラチナ世代と次々に楽しみな選手が活躍。 男子ではZOZOチャンピオンシップによる米PGA日本初開催で強烈に盛り上がりました。 タイガーと松山英樹のワンツーフィニッシュは、私個人としてはマスターズ観戦並の興奮を覚えた次第です。
PGAツアーや日本ゴルフツアー観戦も大好きなので、この調子でどしどし盛り上がり、名勝負に舌鼓をうちながら単身しっぽり晩酌観戦を楽しみ続けたいものです。

最後にゴルフ部創設からの夢である日経カップの進捗について。
2017年から今年で計3回ほど日経カップに出場しました。 まず出場!が夢だったこともあり、早々に夢を実現できたことになります。 ですが、最終ロマンである決勝ラウンドにはもう一歩のところまで行くものの辛酸をなめ続けております。 前半ハーフは調子よく折り返しても、後半失速する毎度のパターンが反省点です。
競技方法は、会社の代表者4名がラウンドし、上位3名のスコア合計で競われます。
複数の予選日程を経て上位企業が集まるのが決勝ラウンド。そこでゴルフNO1企業を決めます。


2019年はトップで折り返した

メンバーとの落胆Photo(筆者:右上男子)

未だゴルフ部創設当時の夢は道半ばであり、これより先チャレンジャブルな楽しみが待っています。
競技ラウンドばかりなく、フレンドリーラウンド、やや緊張したお得意先とのゴルフも貴重な時間です。
そんなゴルフをきっかけとして親しくさせて頂いているゴルフネットワークも広がり、それが毎日を豊かにしてくれています。 公私混同してこれからも楽しきゴルフ道を邁進していく所存です。

最後に、私が考える「良いゴルファー、悪いゴルファー」を発表します。
良いゴルファー ・・・ 人のナイスプレーを心から称賛できる人
悪いゴルファー ・・・ 人のOB(失敗)を内心ほくそ笑んでいる人
私は悪いゴルファーかもしれません。“にぎり”においては間違いなく。

それでは、このあたりで独りよがりなゴルフ談義を終えることと致します。
このエッセイをご覧頂いた皆さんとエンジョイラウンドさせて頂くその日を楽しみに想いながら。

【著者紹介】

運営副委員長・広報副委員長
株式会社 博報堂
中部支社長代理兼ビジネスデザイン局長

桑野 剛(くわの つよし)