リレーエッセイ

名古屋広告業協会会員によるリレーエッセイです。

2019年12月27日公開
第49回「車とロック」

みなさま、こんにちは。新東通信の一井です。
博報堂、桑野さんから渡された大切なバトン、私の大切なモノ?について触れたいと思います。
少しの間お付き合いいただけますと幸いです。

小さい頃から今でも好きなモノ、コト。

幼稚園の私

夜、街を走っている車のヘッドライト・テールランプを見るだけで車種がわかるほど車が好きだったようです。
プラモデルが好きで、オートバイや車のプラモデルを見よう見まねで作っていました。
大した工具もなく、カッターで指先を切り、接着剤がその傷口に付くと、とにかくヒリヒリして痛い。。。
そんな痛みも鮮明な記憶です。

小学4年生の私

当たり前ですが大好きな車は運転できません。そんな折、運転できる!?車と出会ったんです。
当時流行っていたRCカー、いわゆるラジコンです。TAMIYA提供の番組なんかもやっていました。
箱を開けて電池を入れたら走るパッケージのラジコンではなく、組み立て式、しかも総額5万円前後する代物で、とても小学生のお小遣いで買えるものではありません。
当時、我が家には「お小遣い制度」もなく♪高嶺の花子さん。
でも、寝ても覚めても欲しくて欲しくてたまりません。
足しげく近所の模型屋に通う日々。ラジコンに対する心構え、必要なアイテム、本体キット、プロポ、サーボ、バッテリー、充電機器などなど、お店のおじさんに取材攻勢。何に幾らかかるのかをまとめ、満を持して父親にプレゼンテーション。ずっと貯めていた(=将来への貯金という名目で搾取されていた)お年玉2年分を使わせて欲しい!と懇願。
「プラモデルじゃないぞ!」「自分で組み立てることができるのか?」と何度も念を押されましたが、最後はOK。晴れて念願のラジコンをゲット!
組み立てに苦労したのは、ステアリングをコントロールするサーボの取り付け。これを間違えると車がまっすぐ走りません。あとオイルダンパー(サスペンション)に適切な量のオイルを気泡なく入れる。。。この2つはとても苦労した記憶です。
そこからは、友達数人と自転車にラジコンを縛り河川敷に。ダートコースを作り、競い合っていまいした。レースの賞品は、各自が家から持ってきたガラクタみたいな玩具です。とても楽しい思い出です。

中学1年生の私

「ベストテン」を経て「夜のヒットスタジオ」なる番組も流行。
ふと何気なく見たTVで流れていた音楽、Culture ClubやQueen。いわゆる洋楽です。今まで耳にしたことのない音楽。。。
翌日から、クラスでは洋楽通の友人に質問攻め。Duran DuranやBon Joviなど色んな音楽を借りる毎日。
そんな中、彼から借りた天下分け目の2枚。「白蛇の紋章~サーペンス・アルバス/Whitesnake」と「So Far So Good So What/Megadeth」に頭をピストルでぶち抜かれ、そこからのエスカレートは容易です。
ポップス→ロック→ハードロック→ブルーズ・ロック→ヘビーメタル→スピードメタル→スラッシュメタル(※終着駅のデスメタルはNG)
さながら出世魚!?のようにこのジャンルの音楽三昧。当時の愛読書はもちろんロックの聖書「BURRN!」。毎月読みすぎて穴が開きました。
そして、高校、大学、社会人と今に至るまで、ずっと大好きな音楽です。
Europe、Def Leppard、TESLA、Great White、Metallica、Megadeth、Whitesnake、Quiet Riot、Gary Moore、Queensryche、Helloween、Yngwie Malmsteen、TNT、Queen、Van Halen、Angra、Andy Timmons、Scorpions、Motley Crue、Ozzy Osbourne、Winger、Bang Tango、Shark Island、Guns N’ Roses、...etc。
とりわけ好きなのが、エモーショナルなTESLA、理屈抜きにカッコいいMegadeth、ハイトーンボイスにメロディアスなツインギターのQueensryche。郷愁の泣きのギターGary Mooreも。。。
話し出すと止まらないのでこのあたりで。

33歳頃の私

仕事と私生活の環境が大きく一変、一応仕事に邁進する日々。
そんな中、ふと立ち寄った模型屋。当時ブームだったRCカー達が時代を経て復刻!
当時の記憶が蘇り、早速下調べを経て大人買い!
もちろん当時の小学4年生の私とは経済力が段違い(1人で貯金もせず悠々自適な毎日)
チューニングパーツのスタビライザー(アルミ製)、ボールベアリング、モーター(高回転のスポーツ系)、スパイクタイヤ等々も購入、自らチューニング。
休みの日になると車に車を乗っけて、1人で走らせていました。
たまに子供連れのお母さんに睨まれたりと。。。申し訳ございませんでした。

42歳頃の私

息子が4歳頃、はじめてラジコンを見せると目が輝き、ステアリングを左に倒したまま(=車は自分の周りで円を描く)自分もくるくる回りながらワーキャー言って楽しんでました。 ミニ四駆に興味を持った頃、気になっていた近所の模型屋にミニ四駆を買いに訪れると。。。またまた出会ってしまいました! 京商「Mini-Z(ミニッツ)」。小型で手のひらサイズの本格的RCカー。精巧なボディとレース仕様のシャーシー。好きなボディに乗せ換えもでき、シャーシーはサスペンションからモーターまで多岐に渡りチューニングパーツが豊富。最高速度は17km/h。スケール換算すると、体感速度はなんと450km/h。シリーズ販売累計は150万台以上。世界40ケ国以上で楽しまれています。 またまたもう止まりません。早速ミニッツの情報や知識をインプット。そしてまたまた大人買い! そこの模型屋さんにはミニッツ公認の専用サーキットも併設。 このミニッツ、RCカーとしても高性能で楽しいのですが、過去、レースの歴史や一世を風靡した数々の「名車達(実在の車種)」が、かなり精緻でハイクオリティに再現され、好きなボディを手に入れて走らせることができるのです。 自分の大好きな数々の「名車」を、大好きな芋焼酎を片手に眺める。。。どんな肴よりも格別です(笑)

47歳今の私

今でも車(走らせるモノも)とロックは大好きです。
3年程前、車は車でも、ラジコンでもない大御所=自動車。
私の生涯のパートナーとなるであろう車に出会ってしましました。一目ぼれです。
もうラジコンでもなければ移動手段としての機能的な車の域を越えています。
分不相応、わがままを承知のうえ、清水の舞台から飛び降りました。
決して乗り心地がいいわけでも、気密性・遮音性がいいわけでも、スタイリッシュでも最新鋭でもなんでもない車。しかも、マニュアル仕様でクラッチはめちゃ重たい。
でも、そんな時代錯誤で武骨な愛車は最高です。運転することそのものが楽しくて仕方ありません。
高速道路でターボが効いた瞬間、キーンという微かな高音とともに、車体がふっと軽くなる瞬間。
閉ざされた空間で、愛車を走らせながら大好きなハードなロックを大音量で聴く瞬間。。。
私にとっての特別な瞬間です。
「車とロック」に敬意をこめて。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。
このバトン、電通の𡈽橋さんにお渡しします!

【著者紹介】

運営委員
株式会社 新東通信
執行役員 名古屋統括副本部長

一井 太(いちい ふとし)