名古屋広告業協会

名古屋広告業協会会員によるリレーエッセイです。

2014年3月20日公開
第3回 男の嗜み

嗜みといいますか、趣味の話です。
皆様も趣味は?と問われれば、旅行、読書、絵画、音楽、写真、模型、釣り、園芸、料理などなど、多種多様なジャンルがありそれぞれに楽しんでおられると思います。

私も色々な趣味がありますが、自分の「下手の横好きベスト3」というテーマで綴ってみます。
それは「ゴルフ」「麻雀」「俳句」です。私の世代では当たり前の必須科目のようなものですが、それぞれに奥の深い素晴らしい文化です。

まず「ゴルフ」ですが、気の合う仲間と快晴のもと四季折々の景色を楽しみながらラウンドするのは、本当に贅沢な時間です。 いくら叩こうが時にはグッドショットがあり、ナイスキックのおかげでのニアピンあり、長いパットが入っちゃったりして止められません。
次々と発売されるゴルフ道具を自分の腕前をかえりみず購入し、カラフルなゴルフウェアも似合わなくても普段カジュアルウェアとして着られるからと言い訳しつつ増やすのもゴルフの楽しみの一つかも?

次は「麻雀」です。語り尽くせない凄いゲームです。 数学的で論理的でしかもギャンブル性も高く、「麻雀」の「麻」は「麻薬」の「麻」と云われる程いい大人が何時間も没頭できる不思議な競技です。 皆様は会社のデスクに続けて何時間も座れますか?麻雀は場替えこそあれ、4~5時間、時には7~8時間経ってしまう事も…。

『字一色小四喜』
今年の新年会で天牌しましたが、残念ながら流局しました。しかし、う、美しい!

ゴルフと麻雀は共通点がいろいろあります。 原則4人のゲームで芝もグリーン、雀卓もグリーン、実力とは別に運が左右する面もあり、冷静さが決め手のゲームです。 ゴルフと麻雀はセットになる時もあります。 ハードな1日になります。
以前東京から同期の友人達がどうしても和合でプレーしたいとわざわざ名古屋に来てくれました。 ここはちゃんと「おもてなし」しないといかんということで組んだ1日のスケジュールは
(1)和合でラウンド(勿論いつもより沢山のスコアで満喫)
(2)丸の内にある超美味しい焼き肉屋さんで宴会
(3)カラオケもある錦のラウンジで青春ソングを熱唱
(4)最後の仕上げに麻雀大会
名付けて男のトライアスロン!(馬鹿ですね、ほんと)

さて最後は「俳句」です。
今は休会していますが、数年前にある居酒屋にて広告業界の仲間の飲み会で「俳句」が話題になったのがきっかけで句会を始めました。

メンバーが五句ずつ詠んで相互に選び合い、それぞれの句についてああだこうだと推敲する。 ルールは他の人の句をけなさない。 皆で磨き合うという作業は実に面白く、わずか17文字の世界がこんなに豊かで深いとは思ってもみませんでした。

このエッセイは私の「下手の横好きベスト3」なので、恥をしのんで当時句会のメンバーが選んでくれた句を披露します。

最初の句会で選ばれた句
「秋薔薇の 少しやつれて 咲いており」
この句は我が家の薔薇が、五月には大きな花を咲かせていたのに名古屋の猛暑のおかげで、秋には小さな花しかつけませんでした。 その姿を美女が夏痩せした風情に重ねて詠んだのですが、句会の塾長から「やつれて」は擬人化なので好ましくないとのご指摘を受けました。 しかし私は、この「やつれて」がこの句のキーポイントであると主張し譲りませんでした。若気(初心者)の至り?

もう一つ
「コバルトの 蒼を切り取る 冬木立」
この句も「コバルト」と「蒼」が重なっており、「重ね」は俳句の作法ではよろしくないとされております。 しかしこの句はビュッフェの絵をイメージさせる冬の青空にくっきりと枝だけになった樹々が鮮明に立っている風景を詠んだので「コバルト」と「蒼」は譲れないとつっぱったのを思い出します。 というか他に重ならない言葉が見つからなかったんです。 素直に「冬空の蒼を切り取る枯れ木立」にすると季語重ねになってしまいます。 しかし俳句のお陰で普段あまり気にも留めなかった季節の移ろいや風の匂いを感じるようになりました。 また漢字、ひらがな、カタカナを駆使できる日本語の凄さを改めて認識しました。

最後に最新作
「花笑ふ 揺れる振袖 舞う袴」
3月になると、小振袖・袴を着た女学生達が颯爽と卒業式に向かう姿をよく見まけます。 輝くような笑顔が一杯あふれて可愛らしく、こちらまで本当に嬉しくなります。

いずれにしても自分としては「下手の横好き」であろうが、仲間がいるという事は本当に楽しく有難い事だと感謝して、筆を置かせていただきます。