名古屋広告業協会会員によるリレーエッセイです。
宮下さんからバトンを受けました総合広告の畑です。古希目前で足腰不安ですが第16区を走ります。
昔から、趣味を聞かれるとまあ無難に「読書、音楽」と答えることにしています。しかし読書はともかく、音楽はいろいろ聞くけれど語る程のものはないと言うのが正直なところです。確か学校の成績も音楽が一番悪かった!?。
そんな私が今回書こうとしているのが、“フロイデ”、そうです、あの楽聖ベートーベンの交響曲第九番合唱奮闘記です。
今年も残り少なくなって、日本各地で第九が華やかにかつ厳かに歌われる季節になりました。年末に第九がこんなに演奏されるのは日本だけとか。
私が初めて生の第九演奏を聞いたのはかれこれ40年前のことです。上野の東京文化会館の日本フィル定期演奏会で、指揮は若き日のイルジー・ビエロフラーヴェクでした(彼はいまチェコ・フィルの首席指揮者で、日本公演のため今秋来日しました)。あの時の興奮は今でもよく覚えています。
あれから40年近くたって、この私が今年もまた12月6日、大阪城ホールで第九を歌います。天王寺中学の旧友や相方に誘われて3年目の「第33回サントリー1万人の第九」。
合唱経験ゼロ、カラオケ苦手なド素人が無謀にもベートーベンの第九を歌うことになろうとは…。
高音は土台無理だから、まあバスならなんとかと選んだらこれがとんでもない思い違いで音域が結構広い!「音程が違う、そこ1オクターブ低い、もっと腹に力を入れて、出なければ口パクでよろしい」とおばさん先生の叱咤に冷や汗タラタラ。言われても出んものは出まへん!昔取った杵柄第二外国語のドイツ語もチンプンカンプン。しかも本番は暗譜!そんな悪戦苦闘の3カ月でしたが何とか歌い終えてもうコリゴリと思いきや、なんとすっかりはまって、出たせりふが「来年も出るぞ!」。
ベートーベンがきっと腰を抜かすようなとんでもない第九を考え出したサントリーさん、あんたはやっぱりエライ!。かつてはあの佐治敬三氏も参加されていたそうです。K社やA社ではとても考えられないイベントで、「やってみなはれ」のサントリーをかつて何年も担当した者にはよく分かる“お祭り”です。
そんなこんなで、今回も14000人からめでたく選ばれた1万人(下は小学1年生から上は90歳代まで)の一人として、12月の本番目指して毎週末大阪森ノ宮にレッスン通いをしています(名古屋も昨年からレッスンクラスができました)。
大阪城築城400年イベントで一回限りの筈だった「1万人の第九」も数えて33回目。当日の模様は例年通りなら12月23日の午後、CBCテレビで放送されます。是非ご覧になって、あなたも来年はともにフロイデ♪。もっとも抽選次第ですが…。
拙文はこれくらいにして、バトンを次走者に手渡すことにします。