名古屋広告業協会

名古屋広告業協会会員によるリレーエッセイです。

2018年10月17日公開
第42回「ふるさと 山形」

今から約50年前、高校を卒業した私は大学に進学するため、山形県からここ名古屋にやってきました。 以来、就職〜起業と故郷で過ごした時間よりも名古屋で歩んだ月日の方が長くなり、今や名古屋の方が故郷のようです。 とはいえ、多感な幼少期を過ごした山形への想いもあせることはなく、東海山形県人会員として、またここ数年は会長として、機会を捉えては山形の魅力の広報PRに努め、東海地方と山形の架け橋になりたいと励んできました。 そんな私ですので、このリレーエッセイでも山形の良さをぜひ皆様にお伝えしたく、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

ところで私は山形県の中でも天童市の出身です。 近頃、瀬戸市出身の天才棋士 藤井聡太七段の活躍で将棋の人気が大変高まっていますが、その勝負に欠かせない駒の約9割は天童市で作られています。 東海からはちょっと遠いイメージのある山形ですが、こんな所からも親しみを持って頂ければ嬉しく存じます。


んまぇ、あがってけらっしゃい ! 

というのは「美味しい、お召し上がりください」という意味の山形のお国ことばの一つです。 (実は「山形弁」という方言はなく、庄内弁や最上弁など地方ごとにいろんなお国ことばあり、同じ山形県人でもそれぞれの方言は分からないこともあるくらいです(笑))

さて、山形の特産物といえば誰もが思い浮かべるのが「さくらんぼ」でしょう。 佐藤錦が有名ですが、ここで耳寄り情報! なんと500円硬貨より大粒の新種が2023年頃には本格デビューの予定です。 私も楽しみにしていますが、佐藤錦並みの糖度で酸味もほどよく、上品な甘さと聞いています。 来年、2019年の3月には公募で決まった新名称の発表も控えており、マスコミなどでも紹介が始まると思います。 しばらくは入手しにくいと思いますが、ぜひご期待ください。

続いては「お米」。 「つや姫」は東海地方のスーパーなどでも普通に見かけるほど、お馴染みのブランド米となりましたが、このつや姫に今度は弟君の「雪若丸」が誕生しました。 今年が市場への本格デビューです。それに先立ち平成29年産の雪若丸が、お米の食味ランキングで最高位の「特A」を参考品種として受賞! つや姫より粒感がしっかりしており、炊き込みご飯やピラフにしても美味しいと思います。 折しも新米の季節、お見かけになったらぜひあがってけらっしゃい!

美味しいお米とくれば「お酒」もハズせません! 米どころで水も空気も澄みわたった山形には、バラエティに富んだ銘酒がズラリ。 今年5月に発表された平成29酒造年度全国新酒品評会でも入賞20銘柄、さらに幻の酒とも称される「十四代」をはじめ「上喜元」や「壺天」など、11もの銘柄が金賞を受賞しています。 最近の私は「十四代」がお気に入りです。 同じ十四代でも「秘伝玉返し」「純米吟醸」「大吟醸」「中取り純生」等のタイプがあり、飲み比べも楽しいお酒となっています。

名古屋でも山形の味を気軽に楽しめるお店があります。
「四季のぞうすい 山形」がそれ。 中区栄4丁目11の10 東京ビルの1階、栄ウォーク街の池田公園にほど近い場所にあります。 店内にはメニューがなく、おかみさんがその日の仕入れを活かして作った郷土料理の数々が楽しめます。 中でも、これからの季節は常連さんも絶品と褒める「芋煮」がお勧め。山形米で炊いたご飯や、山形の銘酒もご一緒にどうぞ!


いい湯さ、入っておくやい!

この言葉の意味は分かりやすいですね。 山形には蔵王温泉をはじめ名だたる名湯がたくさんあります。 どこをご紹介しようか迷いますが、ここは山形空港にも近く、私の出身地でもある天童温泉をお勧めしたいと思います。 ちなみに現在、名古屋(小牧)と山形空港を結ぶFDA(フジドリームエアライン)が基本1日2便あり、所要時間も約1時間と、時間距離なら車で蒲郡温泉あたりに行くのとそう変わりません。
さて、天童温泉ですが、すみません、公衆浴場はありません。 その代わり、市内の宿泊ホテルのあちこちで外来入浴OK(食事付きもあります)となっています。 露天風呂なら「松伯亭 あづま荘」が、湯量自慢なら「天童グランドホテル 舞鶴荘」が、開放感あふれる大浴場なら「ほほえみの宿 滝の湯」があります。 利用時間の制限や繁忙期など外来不可となることもあるため、詳しくはホテルにお問い合わせとなること、ご了承ください。

でっちり、見でまわんべ!

この言葉はたくさん見て回ろうという意味です。実は「閑かさや岩にしみいる蝉の聲」の句を芭蕉が詠んだ名刹「山寺(宝珠山立石寺)」も天童温泉から車で15分程度の距離にあります。 ゴールの奥の院は1015段もの石段を登った先にありますが、特に五大堂(写真)と呼ばれる建物は山寺随一の展望台になっており、眼下には一生の思い出になる絶景が広がっています。

途中にも見所満載の山寺を、ぜひ、でっちり見でまわんべ!

山形のお国自慢を語りだすと、どうにも止まらなくなってしまいます(笑)。
上杉鷹山(「なせば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」の名言でも有名)所縁の史跡など、ご紹介のネタはまだまだ尽きませんが、それはまたの機会とし、この辺で筆を置きたいと思います。
最後までお読みくださった皆様、本当にありがとうございました。
そして、是非、山形さ、よぐ来てげっだなっす!